特集

知れば知るほど! なごや福祉用具プラザの役割

テクノエイド機能

 なごや福祉用具プラザの主な業務は、〈介護実習・普及センター〉〈テクノエイド機能〉〈介護ロボット普及モデル事業〉の3つに分けられます。
 今回は〈テクノエイド機能〉についてご紹介します。
 なごや福祉用具プラザでは福祉用具を展示し、介護に関する様々なご相談に応じていますが、平成9年の開設当初からテクノエイド機能を有しています。
 テクノエイド機能とは、福祉用具を利活用するための相談や試用貸し出し、それを使う方の実情に合わせた改造や新規の製作を行ったり、障害者へのITサポート及び研修や技術支援ネットワークづくり、ボランティア育成・活動支援、企業への開発支援などを行うことです。そのためにセラピスト、リハビリテーション工学技師、ソーシャルワーカーなどの専門職を常勤配置しています。
 国も今年度から「地域における障害者自立支援機器の普及促進事業」を開始し、地域において核となるテクノエイドセンターの設置を勧めています。

福祉用具の利活用

製作改造相談

研修と技術支援ネットワークづくり

ITサポート

テクノエイド機能で、こんなことをしています
日常生活動作への支援

 作業療法士やリハビリテーション工学技師、ソーシャルワーカー、看護師、相談員が移動・移乗や入浴など本人に合う日常生活動作への支援をシミュレーションコーナーやモデル住宅にて行います。

移乗方法についての支援者への指導

福祉用具の利活用への支援

 作業療法士、リハビリテーション工学技師が身体活動の状況に合わせた福祉用具の選定・調整と、姿勢や住環境を加味した指導を行い、計測機器を用いてその効果を提示、必要に応じ一定期間貸与し、その試用による導入確認も行います。

クッションによる座圧分布の差異の提示と指導

訪問による補装具(意思伝達装置)の支援

 リハビリテーション工学技師が名古屋市身体障害者更生相談所等と連携し、意思伝達装置に関する訪問相談、スイッチ選定・適合支援を行います。

訪問相談による視線入力装置の選定・適合評価

福祉用具の製作・改造、IT支援

 リハビリテーション工学技師が既製品では対応できない人へ、残存能力を生かし自立度を高めるための福祉用具を製作改造によって提案します。またリハビリテーション工学技師、IT相談員がその人の身体状況・生活環境を把握し、パソコンやタブレット端末を使うためのアプリやその設定、周辺機器の利活用について提案し、状況に応じて訪問支援します。

3Dプリンタで製作したパソコン用入力スイッチ

 高齢障害者や障害者が中心で、製作に時間がかかるケースや障害者施設からの相談も増えてきています。県内のボランティアグループとの支援ネットワークづくりを進めています。

  平成25年度にIT相談員を増員。相談件数が増え、年間800〜900件の相談を受けています。IT支援は、継続フォローするケースが多いのが特徴で、職員の訪問相談後、技術ボランティアによるアフターフォローを実施しています。タブレット端末やソフトウエア(アプリ含む)、スイッチの相談が多く、視線入力による意思伝達装置の相談も増えてきています。また、視覚障害・肢体不自由者のパソコン勉強会も定期的に開催しています。

技術ボランティアネットワークの構築

 リハビリテーション工学技師、ソーシャルワーカーが愛知県内の技術ボランティアへ福祉用具の製作改造に関する相談や情報を持ち寄るネットワークを構築し運営を行います。

福祉用具に関する教育・研修

 作業療法士、リハビリテーション工学技師、ソーシャルワーカー、看護師、相談員が支援者、医療・福祉専門職、特別支援学校教員、建築士等を対象に、自立支援となる福祉用具の利活用について学ぶための研修を行います。

福祉用具に関する教育場面(シミュレーションコーナー)

リサイクル事業の運営

 リハビリテーション工学技師が既製品では対応できない人へ、残存能力を生かし自立度を高めるための福祉用具を製作改造によって提案します。またリハビリテーション工学技師、IT相談員がその人の身体状況・生活環境を把握し、パソコンやタブレット端末を使うためのアプリやその設定、周辺機器の利活用について提案し、状況に応じて訪問支援します。

販売・リサイクル部門

福祉用具・介護ロボットへの取り組み

 作業療法士、リハビリテーション工学技師、ソーシャルワーカーが福祉用具や介護ロボット分野の企業を対象に、その試作品・販売製品に対してのアドバイス支援を行ったり、具体的に改良点の提案を行います。これまでに企業へ「抑速ブレーキ付き歩行車の握りグリップ改善等の提案を行いました。

抑速ブレーキ付き歩行車の握りグリップ改善(横棒を付けて、両手で握ることができるよう提案)

エンドユーザへのコーディネート機能

 作業療法士、リハビリテーション工学技師、ソーシャルワーカー、看護師、相談員が支援を必要とする人を適切に地域資源へつなげ、切れ目のない支援を継続できるようにコーディネートします。

結局、私たちはテクノエイド機能をどう利活用すればいいの?

 なごや福祉用具プラザでは、介護及び福祉用具に関しての困りごとやご相談に対して、適切にアドバイスを行ったり、福祉用具の選定・適合はもちろん、その製作改造や障害者のITサポートについて具体的に支援を行うことができます。なごや福祉用具プラザへお越しいただき、お話しを伺いできればと思います。また障害者のITサポートではご本人の身体的負担から来所いただけない場合には、ご自宅まで訪問して相談や支援を行うことができますので、まずは電話等でのお問い合わせでも結構です。

テクノエイド機能で、さまざまな機関と連携します
1リハビリセンター
  • 入院、入所者への支援
  • リハビリセンターのセラピスト、義肢装具士との協働
  • 外来患者等への支援に際し、リハビリセンター内外の機関との協働支援を分担
2学校
  • 小牧、一宮市特別支援学校及び名古屋市内の特別支援学級や普通学級への支援
  • 特別支援学校卒後対策連絡協議会メンバー
  • 東海特別支援教育カンファレンスの実施
  • 障害者の暮らし展(福祉用具展示相談会)への協力
  • ロボットモニター貸し出し
3関係団体
  • 障害者支援施設(入所支援、自立訓練)及び高齢者施設の利用者及び職員への支援
4福祉機器事業者
  • 開発相談及び開発機器のデモ
  • 開発メーカーの施設見学等のコーディネート
  • 大規模展示での展示協力
  • 研修室の貸し出し
  • モデルルーム福祉用具、介護ロボット実証評価貸し出し
  • 自主講座でのスキルアップ対応
5販売店
  • 福祉用具の選定・適合(貸し出しを含む)及び、製作改造で協力
  • 自主講座でのスキルアップ対応
  • 遠隔地居住者への協働対応
  • (仲介者として)用具の貸し出し
6病院
  • ALSなど難病患者に関するコミュニケーション機器(意思伝達装置)の導 入に関する相談
  • 退院前福祉用具相談
  • 退院前住宅相談
7更生相談所
  • 重度障害者コミュニケーション機器の導入支援の協働
8相談支援機関
  • 相談支援機関の利用者支援を協働。スイッチ選定・適合、座位姿勢、製作改造等に関して実施(場合によっては訪問相談を行っていることも周知)
  • 自主講座でのスキルアップ対応
9行政機関
  • 名古屋市身体障害者更生相談所と協働し、補装具等研修会を開催
  • 自主講座(自助具製作講座やITボランティア講座)を広報
なごや福祉用具プラザ 技術ボランティアのご紹介

NFP技術ボランティア
自助具グループ

代表 粟田益生さん

 なごや福祉用具プラザ内にある工房で活動する、福祉用具を使いやすいように製作・改造、調整を行っているボランティアの皆さんにお話を伺いました。訪れた日は、皆さん定年退職された方々で、和気あいあいと楽しげにものづくりに励んでいました。

喜んでいただける楽しみ、これが最大です

なごや福祉用具プラザ技術ボランティア(略称:NFP技術ボランティア)は、どんな活動をしているのですか?

 既製の福祉用具では、上手く合わない障害者や高齢者のために、新たに用具を製作したり、改造や調整などを行っています。自助具グループ、被服グループ、パソコングループの3つに分かれていまして、私たちは福祉用具や日常生活に必要な道具を改造、製作する自助具グループになります。

何名くらいで活動されているんですか?

 今、登録してるのは11名です。自由に参加できるようにしていて、都合の付く日に来るようにしています。少ないときには2人ということもありますが、大抵、3、4名はいますね。シフトを組んで、この日は必ず出るというような厳密なことはやっていません。ボランティアも自由に楽しみながらやっています。

ボランティアを始めたきっかけは?

 皆さんそれぞれお考えがあると思いますが、基本的にほとんどの方は現職を終えた方で、何もせずにいるよりは自分の知識や技術を生かして社会貢献をして人に喜んでもらいつつ、自分もやりがいを見つけて楽しい生活を、と考えているのではないかと思います。

皆さんに何か作ってもらいたいときには、どうやってお願いすればいいのですか?

 何か、福祉用具なり生活で困った方が福祉用具プラザに行きます。まずは窓口で職員さんに相談します。窓口で、こちらの助けが必要だと判断した場合、こちらに依頼が来ます。相談を受けて、福祉用具プラザの職員の方が、利用者さんの状況などを整理して、その内容を「製作・改造依頼票」というワークシートに書きます。私たちはそれを見て、依頼者の手が動かない、足が悪いといった症状を確認しながら、ああしよう、こうしようと構造や仕組みを考えて製作します。ですから、この部分を3cm伸ばして欲しいとか、具体的に伝えていただけることがとても重要です。

これまでどんなものを?

 簡単なものなら片手で使える爪切りやキッズワークショップでも作ったペットボトルオープナーなどですが、難しいものとしては車いすの方や普通用のエレベーターのボタンが押せない方が使うボタンや、車いすに取り付けられる折りたたみ式のテーブル、授産施設の方が業務で使うためのラベル貼り機なんていうものも作りました。複雑なものを作る場合、その都度、構造を考えて設計して、試行錯誤を重ねて作っています。

かなり複雑な機械も作っているんですね!

 ボランティアの仲間には、電機メーカーで働いていた元エンジニアや工作機械を使う仕事をしていた方もいます。そういったそれぞれの得意分野を生かして、あれこれ考えながら製作してます。現役で働いていた頃と違うのは、量産することを考えなくてもいいことと儲けを考えなくてもいいこと(笑)!

では、かなり楽しみながら作っていらっしゃる?

 設計する人は、構造を考えてかなり苦労もされているようですが、喜んでいただけることが何より楽しみですね。考える楽しみ、作る楽しみ、喜んでいただける楽しみ、これが最大です。“長者の万灯より貧者の一灯”そんな気持ちでやっているんですよ。 頼まれる方は、結構、遠慮される方がいまして、身体の状況が変わってきたときなど調整が必要になる場合もあります。何回でも直しますから、遠慮しないで気軽に相談していただければと思います。

グループ 活動日 活動内容
自助具グループ 毎月第1・3土曜日の午後
毎週木曜日の午後
福祉用具や日常生活に必要な道具を改造、製作します。
被服グループ 毎月第2・4火曜日の午後 本人に合わせた心地よい衣類に改造します。
パソコングループ 毎月第2土曜日の午後 パソコンや入力装置、ソフトを試用しながら身体状況や目的に合う機器やソフトの選定などの支援をします。

 苦心の作、「ラベル貼り機」。タグの決まった場所に両面テープを貼り付ける機械。動力にソレノイド(電磁力を利用して、電気エネルギーを機械的運動に変換する機能部品)を利用、粘着テープのべたつきを抑えたりと工夫が満載。「現役で働いていたときの癖で、設計を考えていると眠れなくなってしまうんです」 設計を考えた方は、徹夜してしまったのだそう。

 頼もしいボランティアの方々。それぞれの得意な知識と技術を生かして製作しています。「ボランティアですから報酬はありません。 皆さん、文字通りの手弁当でやっています」

 旋盤やフライスなど、工作機械を備えた工房。「事故というのは、思いがけないときに起こるものです。自分たちも怪我をしないように、細心の注意を払って作っています。もちろん、 作るものは使う人ができるだけ安全なように気を配っています」 万が一に備え、ボランティアの皆さんは、ボランティア活動保険に加入しているそうです。