
なごや福祉用具プラザの主な業務は、〈介護実習・普及センター〉〈テクノエイド機能〉〈介護ロボット普及モデル事業〉の3つに分けられます。
今回は〈介護実習・普及センター〉についてご紹介します。
介護実習・普及センターとは、誰もが安心して在宅生活を続けることができるよう地域の方々へ介護知識や介護技術の普及を図るとともに「高齢社会は国民全体で支えるもの」という考え方を広く啓発するための業務で、都道府県や指定都市などの自治体が社会福祉協議会やリハビリテーションセンターに委託して行っている事業です。福祉用具の展示や相談体制を整備し福祉用具の普及を行い、機器と住宅改修の専門機関として相談や専門職の研修などを行っています。
※一部、名古屋市総合リハビリセンターの付帯事業、名古屋市委託事業等を含む
衣類、移動、入浴、家具、コミュニケーション用具など、あらゆるタイプの福祉用具1,200点以上を展示しています。
高齢者の住宅改修について、身体状況、家族構成、家屋状況に応じた改修が行われるよう、利用者の住宅を訪問し相談・助言を行います。
福祉用具相談
福祉用具の選定と、使用方法や助成制度のアドバイスを行います。カタログ・福祉機器データベースなど、多様な情報を使い幅広く対応します。また、来館できない方には、福祉用具の貸し出しも行っています。
介護相談
福祉用具の相談と併せて退院直後の家庭での介護方法に関する相談も行っています。身体状況や家庭環境に合わせて福祉用具を選定し、在宅サービスを紹介するなどしています。
住宅改造相談
作業療法士、1級建築士による障害者や高齢者の住宅改造相談を行います。
その他の相談
医療相談、経済的相談、ヘルパーなどの資格の取り方、障害者の進路相談など、必要な場合は関係機関の紹介等を行います。
福祉用具ふれあい講座(入門講座)
一般市民を対象に、福祉用具を実際に使用しながら福祉用具や介護に対する知識と理解を深める講座を開催しています。
他団体依頼講座
公的機関や教育機関、各種専門学校、在宅サービス提供事業者、企業などが企画した講座で、プラザ職員が講師となり講座を実施します。
介護実習・普及講座
在宅支援関係者や施設職員、一般市民を対象に、介護技術や福祉用具の選択・活用技術についてテーマを設け講座を実施しています。
福祉用具メーカー、販売店、各種文献などから福祉用具及び関係機関に関する最新情報を収集・蓄積し、高齢者や障害者のほか、関係機関の中間ユーザーなどに情報提供しています。
広報活動
広報誌「暮らしほっとワーク」の発行や、新聞等のメディアを活用し、福祉用具や介護知識・技術を普及しています。
特別展の開催
福祉用具や介護知識普及のための各種特別展を実施しています。
介護に関心のある一般市民の方を対象に介護者教室を開催し、介護技術の向上を図るとともに介護者同士の交流を図ります。
市民の方が参加しやすいように身近な地域に出向き、コミュニティセンターなどを会場に家族介護者教室の簡易版として開催しています。
2016年12月11日、アロマやハーブを加えてクリマスマスリースを作る「キッズ特別企画 アロマハーブでクリスマスリース」を開催しました。リース作りの後、自助具と介護ロボットの体験会を開催、NFP技術ボランティアとプラザ職員で説明に当たりました。
講師にはAEAJ認定アロマセラピスト JAMHA認定ハーバルプラクティショナーの松本イズミさんをお招きしました
参加された13組の親子がアロマやハーブを加えたクリスマスリース作りに挑戦しました
自助具の体験では、使用方法などを説明し、実際に使っていただきました
介護ロボットは特に人気で、何度も話しかける子どもたちの姿が印象的でした
2016年12月9日、愛知きわみ看護短期大学の学生約30名が訪れ、福祉用具についての授業を行いました。将来、看護師を目指す方々に福祉用具についての説明と、なごや福祉用具プラザで展示している用具や機器を実際に手にとって体験していただきました。
講義では、福祉用具の種類と特徴を知ることで適切なものが選択できると説明されました
館内の用具を確認。熱心にメモを取るなどして説明に聞き入っていました
車いすでは、特徴的なさまざまな機能を持つものを紹介し、それぞれに体験しました
介護用ベッドを体験することで、座学だけではわからない介護される側の感覚を体感しました
2016年6月2日〜4日に、第19回国際福祉健康産業展〜ウェルフェア2016〜がポートメッセなごやで開催され、なごや福祉用具プラザの持つ3つの機能 ①「介護実習・普及センター」②「テクノエイド機能」③「介護ロボット普及モデル事業」を紹介しました。
なごや福祉用具プラザの機能を紹介するパネルは、多くの方に関心を持っていただきました
製作相談コーナーなど、さまざまなブースを出展し、なごや福祉用具プラザの活動を紹介しました
イベント中はさまざまな実演講座を行い、来場者に参加していただきました
来場者に福祉用具を実際に体験していただけるコーナーを設けました
2016年11月2日、イオン八事のイベントスペースにて「福祉用具・介護ロボット展示&体験会」を開催しました。普段、福祉用具をあまり必要としていない方々にも、福祉用具・介護ロボットを身近に感じられるような展示会を企画しました。会場を訪れた方々は、コミュニケーションロボットに触れてみたり、障害者スポーツを体験したりと、楽しんでいただきました。
お買い物途中に通りかかった方も、興味深そうに用具を手に取り職員の説明を受けていました
屋外用歩行車などの福祉用具も実際に体験していただきました
福祉用具の説明からご家族についての相談まで職員が丁寧に対応しました
障害者スポーツの体験コーナー。サウンドテーブルテニスを体験していただきました
2017年1月19日、名古屋市総合リハビリテーションセンターにて家族介護者教室「腰のらくらく〜介護のコツと移乗を助ける介護ロボット〜」を開催しました。なごや福祉用具プラザの相談員が講師を務め、「移乗サポートロボット・ハグ」の開発メーカーの方にお越しいただき、製品を紹介しました。
ベッドから車いすへの移乗実技。立つこと、座ること、踏み替えと、動作のポイントを学びました
スライディングシートを使った起き上がり介助など、福祉用具を使った介助方法を体験してもらいました
「移乗サポートロボット・ハグ」開発メーカー担当の方に、製品の解説をしていただきました
介護ロボットの体験では、参加者が実際に利用してみました。具体的な導入を相談する方もいました
なごや福祉用具プラザは、国が定める介護実習・普及センターとして、平成9年から福祉用具の相談、展示、研修、自助具や被服の製作改造、IT支援など多岐にわたる事業を実施してきました。近年では、介護ロボットの普及・啓発の役割も加わり、名古屋市域における福祉用具や住宅改修に関する総合的な相談支援機関として事業を展開しています。また、福祉用具の適切な活用法を理解する専門職の育成という役割も果たしています。
皆さまに魅力を感じていただける展示場づくりや相談方法の工夫、リハビリテーションセンターと連携した地域支援など、なごや福祉用具プラザの機能と専門性を活かした活動を続けていきたいと思います。
最近では、なごや福祉用具プラザを訪れる相談者のうち障害者(高齢障害者も含む)の占める割合が半数近くに高まっています。障害者と係わる部分として、テクノエイド機能がますます重要になっていくことと思われます。プラザの中心的な役割を担う機能として、今後さらに充実を図るよう考えています。