調節ポイント
◎車いすの座面は平らになるように
◎アームサポート(肘置き)は肘を置きやすい高さに
施設側で硬質インサートの代わりの板を用意されるまで、経過観察を含め貸し出すことにしました。
なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆様からさまざまなご相談をいただいております。
このページでは毎回、比較的に多いご相談事例を紹介します。読者の皆さんの参考にしていただくのはもちろん、「こんな事も相談していいんだ」と気軽な気持ちでプラザにお越しいただければと思います。
特別養護老人ホームの職員さんから担当のAさんについてご相談がありました。
「Aさんに、食事やレクリエーションの時間(概ね1時間程度)を他の利用者さんと同じように車いすで楽しく過ごしてもらいたいです。」
左麻痺があり、座り続けることが難しい方です。
現在、普通型車いすに乗っていますが、前のめりになってしまいます。また、車いすから落ちることもあります。
姿勢が保持できないため、抑制帯を使っています(家族の希望であるが、施設としては拘束になるので外したいと考えている)。
右片手片足で自操します(廊下の手すり等を伝って)が、他人にぶつかったりして車いすから落ちることもあります。
使っている車いすを確認すると、座面が盆地状に大分たわんでいて沈み込みがありました。そのため座面高が低くなり、本人の身体に適合しておらず、上体が右に傾き、左のおしり側に隙間がある状態でした。Aさんの姿勢が安定しない原因はここにあると推測しました。(解説図)
おしりを水平な状態に保つために、たわんだ座面ベルトを張り直して硬質インサートを付属クッションの下に入れ込んで高さを調整したところ、座面高さもちょうどよくなり、アームサポート内側に落ちこんでいた左腕もアームサポートで支えられ、座位が安定しました。(解説図)
◎車いすの座面は平らになるように
◎アームサポート(肘置き)は肘を置きやすい高さに
施設側で硬質インサートの代わりの板を用意されるまで、経過観察を含め貸し出すことにしました。
硬質インサートを使うことで、着座時(特に着座直後)の姿勢の改善がありました。適合判定の中で、座椅子に座れることが確認できたため、昼食時間だけでも椅子への移乗を検討しているそうです。
この施設では、今後硬質インサートにかわる類似品を用意して他の利用者さんの車いす座位の見直しも検討中とのことでした。