事業団/プラザレポート

第2回 介護ロボット等取り組み連絡会を開催

 社会福祉法人名古屋市総合リハビリテーション事業団は、2018年3月1日、「第2回 名古屋市総合リハビリテーション事業団 介護ロボット等取り組み連絡会」を開催しました。福祉用具の研究開発推進を行うテクノエイド協会、介護ロボット開発メーカー、大学、介護・福祉施設、行政機関など、介護ロボットに関わる関係者が一堂に集まり、意見交換や情報共有を行いました。はじめに、基調講演として「福祉用具・介護ロボット施策の動向・最新情報」を公益財団法人テクノエイド協会の五島清国氏から、続いて「介護ロボット普及モデル事業の報告」として、なごや福祉用具プラザから、「キング通信工業㈱ シルエット見守りセンサ」「CYBERDYNE㈱ HAL®介護支援用(腰タイプ)」について報告を行いました。

福祉用具・介護ロボット施策の動向、最新情報

 当日は、名古屋市総合リハビリテーション事業団 企画研究室の日比野新が司会を務め、介護ロボット活用の取り組みの紹介、意見交換を行いました。出席者の紹介のあと、早速、公益財団法人テクノエイド協会の五島清国氏による基調講演が行われました。「福祉用具・介護ロボット施策の動向・最新情報」として、ユーザーとしての高齢者、障害者、それぞれの場合に分けて、法整備とそのポイントについて説明していただきました。高齢者の場合、介護保険制度の見直しが行われ、地域包括ケアシステムの推進、また、それに伴い介護人材の確保や生産性の向上、介護ロボットの位置付けなど、今後の動向が示されました。障害者に関しては、日常生活と社会生活を総合的に支援するための法整備が進められ、補装具費支給制度における借受け導入など新たな枠組みの紹介がされました。いずれにしても、今後、高齢者・障害者ニーズの多様化と、介護・支援者の人材不足を補い、労働環境を改善させるためロボットの活用が一層進められ、また、ロボットの使用を目的ではなく手段として捉えられるよう、ケアプランに位置付けられていくことが必要であると説明されました。そのためにも、開発と普及のためのポイントや手順を整理し、使用者と開発者の連携が重要であると説明がありました。

福祉用具・介護ロボット施策の動向、最新情報
福祉用具・介護ロボット実用化支援事業の報告

 キング通信工業の「シルエット見守りセンサのアセスメント活用」についてなごや福祉用具プラザ 長束晶夫、なごやかハウス野跡ケア統括長 川原めぐみ氏から説明しました。昨年から継続してシルエット見守りセンサを使用しており、今年度は、機能を生かしてアセスメントへ活用するということを実施、機能強化を開発メーカーにフィードバックしました。見守り対象者2名を例に、見守りセンサの動画記録から行動を把握、アセスメントで明らかになった情報から対応した記録が紹介されました。通常の訪室だけではわからなかった普段の行動がわかり、場所・利用者の選定・適合等の条件が整えば、アセスメントに有効活用できると報告されました。また、この機能を一層使いやすくするための機器やソフトウェアの改良点を開発メーカーにフィードバックしたことが報告されました。

 もうひとつの報告「移乗介助 HAL®介護支援用(腰タイプ)」については、なごや福祉用具プラザ 長尾美幸となごやかハウス滝ノ水ケア統括長 濱田信氏から報告しました。介護負担の変化を定量的に表すことは難しいものの、アンケート、ヒアリングから負担が軽減できる効果的な介助場面や時間帯などを調査しまとめました。また、使用者が腰痛持ちであるか否かや、効果を感じた使用者の身体的な特徴など、効果的な機器の導入について考察しました。さらに、導入、活用、継続使用について、課題と対応などについて報告しました。

 引き続き、司会でもある日比野新から「事業団介護ロボット取り組み報告と今後に向けて」と題し、現在進行中の取り組みについて説明がなされました。

シルエット見守りセンサのアセスメント活用

移乗介助 HAL®介護支援用(腰タイプ)

取り組みの一例

総評

 終わりに、名古屋工業大学 佐野明人教授から総評として、「五島さんから説明いただいた改訂の説明は、文書からだけでは伝わりにくい要点がはっきりして理解が進み非常に勉強になりました。取り組みの報告については、各分野の専門家が一堂に会しコミュニケーションを取りながら行っており、非常に有用な事例となっていることと思われます。また、学会では報告されないような多くの情報や生データを見ることができるのも、こうした連絡会の意義深いところであり、とても参考になりました」との言葉をいただきました。  最後に、名古屋市総合リハビリテーションセンター第1リハビリテーション部長 小川鉄男より「名古屋市総合リハビリテーションセンターという組織はこぢんまりとしたものですが、何かやるとなれば一丸となって頑張れる組織だと自負しております。ロボットのことは、普段の業務とは別に自発的に関わっているもので、利用者とロボットの間に立って、利用者の声を聞きながら好きでやっている業務であります。要望ややりたいことなど、ぜひ、リハビリテーションセンターに声をかけて下さい。みなさまからのアドバイス、ご指導をいただきますよう、今後ともよろしくお願いします」と挨拶があり、連絡会は閉会となりました。

第2回 名古屋市総合リハビリテーション事業団 介護ロボット等取り組み連絡会 メンバー(敬称略)

※所属等は当時のものです。

区分 氏名 所属
学識経験者 佐野 明人 名古屋工業大学教授
鈴木 光久 豊橋技術科学大学客員准教授
社会福祉関係者 今辻 太陽 (福)なごや福祉施設協会事務局主幹
川原めぐみ (福)なごや福祉施設協会 なごやかハウス野跡ケア統括長
濱田  信 (福)なごや福祉施設協会 なごやかハウス滝ノ水ケア統括長
仲  一幸 (福)むつみ福祉会 中区障害者基幹相談支援センター管理者
開発企業関係者 吉村 真人 キング通信工業(株) 営業統括本部事業開発課係長
高津佐正太 CYBERDYNE株式会社代理店 パーソナルケアサポート株式会社
行政関係者 土方 信司 名古屋市健康福祉局 介護保険課主幹
筧  賢二 名古屋市健康福祉局 高齢福祉課在宅福祉係長
小田 和志 名古屋市健康福祉局 障害企画課更生係長
(福)名古屋市総合リハビリテーション事業団
ワーキンググループ代表者
小川 鉄男 名古屋市総合リハビリテーションセンター 第1リハビリテーション部長
田島 資子 名古屋市総合リハビリテーションセンター 理学療法士
佐藤  茂 名古屋市総合リハビリテーションセンター 看護師
長束 晶夫 なごや福祉用具プラザケースワーカー
有識者 五島 清国 公益財団法人テクノエイド協会 企画部長
アドバイザー 高柳 泰二 名古屋市総合リハビリテーションセンター 総合相談室長
根井さき子 名古屋市総合リハビリテーションセンター 看護部長
武田 行夫 (株)松栄電子研究所 営業顧問
事務局 萩原 康仁 名古屋市総合リハビリテーションセンター 附属病院参事
日比野 新 名古屋市総合リハビリテーションセンター 企画研究室主幹
冨板  充 なごや福祉用具プラザ作業療法士